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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | オストメイトへの支援~内部障害者への理解を目指して~ |
内容 | 直腸癌や膀胱癌などにより,臓器に機能障害を負い腹部に人工的に排泄のための孔を造設した人をオストメイトと呼ぶ.オストメイトを含む内部障害者の数は,年々増加していることがうかがえる. しかしながら,そうした人々への社会認識は,我が国において非常に乏しいといえる.本稿では,オストメイトへの支援をみる中で帰納的に内部障害者について触れ,なぜ内部障害者への理解が進まないのか,またどのような方法によって内部障害者への理解を広げていくべきかについて述べた. そして,内部障害者やその家族とそれ以外の人々の間に大きな意識の相違が見受けられた.この溝こそが,内部障害者の感じている社会への不安であり,この溝を埋めることこそが,真の意味での内部障害者への支援につながるという結論に至った. |
講評 | 筆者は、日本の歴史や政治問題に造詣が深く、ゼミで対人援助に大切な姿勢や要素を語る場面ではいつも、歴史の人物が偉業を成してきたプロセスや先人が発言した言葉などをよくゼミで紹介しながら、解説してくれたように思います。仲間との議論においては、例え話がとても上手で伝え上手、社会問題の核心をついた鋭い意見の切り返しにはいつも驚かされるばかりで、いったい彼が何を卒論課題にするのか、私にとっては大きな関心の的でした。そもそも彼が障害者福祉分野で働く社会福祉士を入学当初から目指していたことを「はじめに」を読んで知り軽く驚いたのですが、内部障害、とくに人工肛門や人工膀胱を体に造設しているオストメイトへの社会的理解と理解の普及について丁寧に述べられた論文ができあがってきたことにとても驚きました。オストメイトの歴史的変遷、内部障害者が直面している社会生活上の課題、そして活用できる制度政策にいたるまで、丁寧に先行文献をまとめています。JR西日本の施設にもフィールドワークに行ったとのこと。目に見えにくい彼らの苦しさを、ハード面・ソフト面の両面において世の中で「見える化」していくには三つの支援が必要であると結んでいます。家族という人的資源、施設整備という物的資源、オストメイトを受容する社会。内部障害は、私自身がソーシャルワーカーであったころ、一番支援の対象としてきた分野です。MSWをしていた頃の自分を思い出し、熱くなりました。 |
キーワード1 | ストーマケア |
キーワード2 | QOL |
キーワード3 | 内部障害 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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