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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 野村 裕美 |
タイトル | すべての子どもに優しい学校とは―インクルーシブ教育について考える― |
内容 | スペインのサラマンカにおける特別なニーズ教育に関する世界会議において,インクルーシブ教育への取り組みが宣言された.これにより,障がい児教育はインテグレーション(統合教育)からインクルーシブ教育へという流れが世界の主流となっている.本稿では,子どもたちが多様性を学ぶためにも日本においてインクルーシブ教育は実現するべきだという考えを元に,インクルーシブ教育についてインテグレーションとの比較を交えながら特徴を理解した上で,日本の特別支援教育の現状や問題点に焦点を当てた.そして,海外の障がい児教育についても触れ,海外の教育を参考にしながら,日本がインクルーシブ教育を実現していくために必要な法律や新たな制度について考察した.これらのことから,日本においてインクルーシブ教育はさらに実現していくことが可能であり,理想論で終わらせてはならないという結論に達した. |
講評 | 筆者の卒論は実に4年間かけて作成したといえるのではないでしょうか。サークル活動における知的障害のある子どもたちとの交流、また、社会福祉士実習での障害児通園施設での実習体験。これらの活動への自らのかかわりの動機付けと、活動の中で「周囲の人たちからの冷たい視線」を子どもたちと並んで感じてくる中で、「なぜ教育の場所がわけられているのか」という問いが卒論作成時にはすでに熟していた、という印象を抱いています。インクルーシブ教育は、理念としては広がりつつも、教育実践としては国内でもまだまだ数が見られない現状の中で、先行文献探しには大変苦労していたかと思います。文献、特に実践事例が少ない中で、出だしは少しまごまごしていた印象もありましたが、執筆し始めたらあっという間に仕上がりました。国内事例だけでなく、アメリカ、イギリスの動向についても丁寧に調べて整理(比較研究)できたという点では、自分の論題への取り組み意欲をベースに、インクルーシブ教育は実現されるべきものであるという仮説に向かい、着々と積み上げていった論文らしい論文であると評価できます。学校に適応することを求めるインテグレーションという理念に対し、学校が子どもに適応することを目指すインクルーシブ教育の理念についても諸説を整理しています。「でも、この理念、果たして実現できるのでしょうかね・・・」と、自身が推進したいインクルーシブ理念に対しても、いつでも疑いを忘れずに検証し続けた姿勢は、研究を進めるにあたりなくてはならない姿勢だと思いました。 |
キーワード1 | インクルーシブ教育 |
キーワード2 | 共生共育 |
キーワード3 | 特別支援教育 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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