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学科 | 社会学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | ジョン・ロックの所有論の位置づけ |
内容 | 近代市民革命以降、多くの哲学者が所有論を展開している。その中でもジョン・ロックの所有論は近代の市民革命を支えたものとして、今日においても研究の対象となっている。今日において、それはどのように理解され、そして評価されているのかを明らかにするために多数の研究を通じて、ロックの所有についての解釈を比較して検討を試みる。 研究ごとにロックの所有論の内容について大きく分かれた解釈は少ないが、ロックの理論において評価がもっとも分かれるポイントは、ロックが労働所有に課した制約の意図およびその除去をどのように理解するかにかかっている。 ロックの所有論からは所有の無制限およびその保護というブルジョワ的要素や、逆に、専制権力から人々を守り、自然権に基づき平等に所有できるという平等主義的要素を見いだせる。このような幅広い解釈が可能なのはロックの記述に多くの重要な概念が含まれているからである。 |
講評 | 本論文は哲学者ジョン・ロックの所有権に対する議論に着目し、多くの論者の見解を筆者なりに類型化し、それらの議論に挑むという形式で書かれている。難解な哲学論文に取り組むという近年の大学生の文字離れを考えると非常に大量の文献を読んだ上でテーマを絞って書かれた労作である点が評価できる。論文としては文献を読むことに時間を多く費やし過ぎて文献の感想が多く、筆者の論理が展開されている部分が非常に少なかったため、時間不足が否めない。さらに時間をかけられたならば、完成度が高まったと思われる。 |
キーワード1 | 自然法 |
キーワード2 | 労働所有 |
キーワード3 | 二つの制約 |
キーワード4 | 制約の乗り越え |
キーワード5 | 不平等所有 |
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