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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 大学生の対人関係と社会的スキル
内容  本論文では、現代の大学生が親や友人とどのような関係を築いているか、社会的スキルとの関係から明らかにするために、8つの仮説をたて大学生を対象に質問紙調査を行った。
その結果、親子関係では、実際的な関わりよりも、情緒的な関わりが大学生の社会的スキルに意味を持っていることがわかった。ただし、親と多く関わるほど良いというわけではなく、門限など厳しい決まりごとのある関係は負担となり、逆に社会的スキルを低める状況にもなりえるため、適度な関係を保つことが重要である。
 友人関係においては、浅く広く様々な友人とつきあうタイプの人が、社会的スキルが最も高いことがわかった。逆に、友人関係をあまり重視しない人は、コミュニケーションスキルやトラブルが起きた時の対応に苦手意識を持っており、さらに友人とあまり関わらないために社会的スキルを学ぶ機会が少ないということかもしれない。
 親子関係、友人関係を通して学んだ社会的スキルは、また新たな人間関係の構築において役立てられていると考えられる。
講評  本論文は社会心理学的観点から親子関係、友人関係がそれぞれで自我の形成、社会的スキルとの関係を研究されてきたことを踏まえ、親子関係、友人関係の両方の要素が社会的スキルにどのように影響を与えるのか分析されたものである。近年、単独で質問紙調査を行なう学生が減少している中、社会心理学尺度を用いて質問紙を作成し、実査を行ない、入力、データクリーニングとデータ作成スキルおよび統計処理スキルを身につけながら書かれた労作である点が評価できる。分析では親子関係がよいと本人の問題解決能力が下がるが、親子関係がよい人ほど友人の数が多いという興味深い結果が出ていた。欲を言えば、最初の親子関係と友人関係の関連が及ぼす影響を分析できているとさらによいものになったと思われる。
キーワード1 社会的スキル
キーワード2 親子関係
キーワード3 友人関係
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