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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 働く女性のワークライフバランス―仕事と家庭の両立におけるメリットを探る―
内容  「男は外で仕事・女性は中で家事」という考え方がまだ当たり前だった10年・20年前は、
結婚したのちも女性が働き続けることは困難だといわれていた。多くの先行研究においても家事と仕事の二重負担によって精神的・身体的苦痛が生じるなどのマイナス面ばかりが取り上げられていた。しかし現代を生きる12名のワーキングマザーにインタビュー調査を行った結果、家庭と仕事を両立しながら働き続けることは、女性自身にとって・その子どもにとって・そして家族全体にとってもメリットが多いことがわかった。現代では、女性が結婚・出産した後に職場復帰することはごく当たり前のこととして受け取られ、周囲の理解も得られている。これは、制度が未発達だった時代から、過去に同じような境遇の人がいないにも関わらず、家庭と仕事の両立によって生じる様々な困難を顧みず、自身が制度を取得する第1号となって、休職した後に職場復帰するという実績を残した女性たちの努力の賜物である。その女性たちの苦労と、仕事を続けることに対する思いを聞き出し、現代を生きるワーキングマザーのよりよいワークライフバランスとは何なのかを探った。
講評  本論文は高学歴、高スキルのワーキングマザーにインタビューし、仕事と家庭の両立によるメリットを調査したものである。多くの女性の就労に関する先行研究では悲観的な女性像が多く描かれている中、元気よく子育てと仕事の両方で充実している人々の意識を調査した希少性の高い研究といえる。複数名の子供をもつ女性からは、10数年前の1人目の時には規範的要素が強く働いていたが、2人目の時には周囲が寛容だったという制度的変化を聞きとれていたり、周囲だけでなく、本人の意識、努力が重要であり、彼女らがどのように努力したかなど、貴重なインタビューができている点が評価できる。またインタビュー調査は膨大なデータが得られる分、まとめるのが大変難しいが、論文の流れも非常に読みやすく仕上がっている。
キーワード1 ワークライフバランス
キーワード2 勤労女性
キーワード3 ワーキングマザー
キーワード4 育児休暇
キーワード5 男女共同参画社会
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