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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 非行少年の再犯を抑止する要因――少年院、少年刑務所における社会的絆の影響――
内容  非行少年の一部の者は再び罪を犯してしまうという現実がある。一体どのような要因が再犯に及ぶ者とそうでない者とを分けるのであろうか。本稿では少年と親とのつながりに代表される社会的絆に着目して、非行少年の再犯を抑止する要因を探った。
 少年院や少年刑務所に収容された経験を持つ者へのインタビュー調査を行った結果、親や施設の職員との強い社会的絆を持った少年は親や職員がきっかけとなって更生の意思を強めるなど、再犯から遠ざかっていくことが明らかになった。これまで再犯の問題を扱う場合には親との関係ばかりに目が向けられていたが、今回の研究で施設の職員との社会的絆が再犯を抑止する要因であることが示唆された。この結果は親だけでなく施設の職員からの様々な働きかけによっても非行少年の再犯の可能性が低下することを示している。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 非行少年
キーワード2 社会的絆
キーワード3 再犯
キーワード4 施設収容
キーワード5  
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