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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 有名大学の学生はなぜ大企業に多いのか ――リクルーター制に着目して――
内容  この論文は、筆者が実際に就職活動を行ってみて感じた、なぜ大企業には有名大学の学生が多く就職しているのだろうか、という疑問をもとに書かれたものである。バブル期に頻繁に行われていた、OB・OGらによる有名大学の学生の囲い込み(リクルーター制)に、近年再び増加傾向がみられると指摘されていることから、このリクルーター制が筆者の疑問に大きく関係していると考えた。この点を明らかにするために、まず、大企業にはどの程度の有名大学の学生が就職しているのかを検討したが、やはりその多くが大企業に就職していた。この結果を踏まえて、彼らはリクルーター制を通して大企業に就職しているのか否か、を明らかにするために、就職先が決定している38人学生にインタビュー調査を行った。その結果、リクルーターによる選抜を通して内定に至った学生は、38人中2人しかおらず、それ以外の学生はみな、面接などのフォーマルな選抜を受けて内定に至っており、リクルーター制が大企業の有名大学出身者の採用に決定的な役割を果たしていないことが示された。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 就職活動
キーワード2 リクルーター
キーワード3 採用実績
キーワード4 出身大学
キーワード5 OB・OG
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