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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 幸福のかたち ――幸福度ランキングから――
内容  何を、どのような状態をもって幸福とするかは、国や社会、時代、個人によって大きく異なってくる。本論文では、ワールド・バリュー・サーベイ(世界価値観調査)が2008年に公表した幸福度ランキングをもとに、幸福度の高い国、社会とはどのようなものかを論じ、幸福に関係しているものは何なのかを論じる。幸福と関係する指標として、各国の人間開発指数・世界平和度指数・自殺率を用いて幸福感との関係を検討した後、幸福度の高い国を地域別に分けることでみえてくる特徴についても論じた。さらに、幸福度世界一に輝いたデンマークの社会の制度を掘り下げ、幸福を支えているのがどのようなものかを検討し、幸福のかたちは国や社会の数だけ存在している、そこで生きる人たちが自身にとっての幸福は何なのか考えて行動する必要があるのではないかという点を論じた。その結果、幸福につながる要因としては経済発展が主として考えられてきたが、いまやその影響は弱く、富を得ることで広がる選択の自由が重要になってくることが示唆された。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 幸福度
キーワード2 ワールド・バリュー・サーベイ(世界価値観調査)
キーワード3 選択の自由
キーワード4 デンマーク
キーワード5  
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