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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 中高一貫校における有名大学への進学 -地域別にみた設置種別による違い-
内容  大学全入時代といわれる一方で、有名大学受験が激化する現在、その対策として早期受験をするということがある。このような状況で、進学実績の面から、中高一貫校の教育が注目されはじめた。また、法改正によって公立中高一貫校の普及も始まり、中高一貫校は多様化している。中高一貫校の多様化により、中高一貫受験エリート校が増え、このことは、公立私立間・公立学校間の格差を拡大させることや、受験戦争の激化・低年齢化を進めることにつながるだろうと考えられている。私立に比べて、教育コストがかからない公立中高一貫校の設置は、中高一貫校から有名大学への進学にどのような影響を与えたのだろうか。このことを、公立中高一貫校が、私立と同数程度、各都道府県に設置されているのか否か、また、公立中高一貫校への進学が、私立と同じように大学進学に有利な結果を及ぼすのかどうか、という2つの点から検討した。公立中高一貫校は、都道府県別にみるとその設置数や設置形態は多様であり、一部旧来の進学校(高校)が中高一貫校になって進学実績をあげている例がみられるものの、必ずしも有名大学進学へ有利な効果を及ぼしていないことが明らかになった。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 中高一貫校
キーワード2 設置種別
キーワード3 有名大学合格
キーワード4 地域
キーワード5  
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