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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 韓国におけるスポーツの政治的利用―第五共和国のスポーツ政策を事例に―
内容  近年、韓国スポーツの国際大会における成績は華々しいものがあり、スポーツ強国として世界各国から認められるだけの強さを手に入れている。日韓共同開催で話題になった2002年サッカーW杯ではベスト4に入り、2006年トリノオリンピックでは総合7位、2010年バンクーバーオリンピックでは総合5位に入賞している。しかし韓国は、そうした華々しい成績をずっと残してきたわけではない。日本が韓国を最大のライバルとして恐れるようになったのは、ほんの20年ほど前からなのである。
 この韓国スポーツの急成長の要因を、本論文では政治権力とスポーツ政策の関係から分析していく。韓国には政権それぞれが志向するスポーツ政策におけるスローガンがあり、それに基づいてスポーツ政策が展開される。中でも本論文で取り上げた全斗煥政権は、「スポーツ立国」というスローガンを掲げ、86年ソウルアジア大会及び88年ソウルオリンピック大会の誘致に成功し、様々なスポーツ政策を展開した。しかしその裏には大きな政治的課題が存在し、スポーツは政治の道具として利用されたことがいくつかの点から明らかになった。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 韓国
キーワード2 スポーツと政治
キーワード3 全斗煥政権
キーワード4 スポーツ政策
キーワード5  
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