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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 専業主婦志向は本当に高まっているか
内容  近年、様々なメディアにおいて「若い女性の専業主婦志向が高まっている」と言われている。また、社会学者の山田昌弘は、著書において「専業主婦志向の復活」、特に20代女性の専業主婦志向が高まっていると述べている。
 男女平等理念に基づく教育や男女雇用機会均等法の浸透、更に女性の高学歴化に伴い、大卒女性の就職率が7割に達している。それにも関らず、このような状況下で本当に20代女性の専業主婦志向が高まっているのだろうかという疑問が、本論の出発点となった。本論文では、まず第3章では山田が論拠とした内閣府による調査の「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるか」のような性別役割分業意識についてみていくことで、20代女性の専業主婦志向について検証した。次に第4章では、一般論ではなく女性自身の選択を問う「理想のライフコース」から、専業主婦コースを選択する20代女性の割合がどう変化しているのかを確認し、更に、20代女性の学歴別、職業・就業状況別にも違いがあるかを検証した。
 これらの分析結果から、20代女性の専業主婦志向が高まっているという山田の主張は支持できないことが明らかになった。
講評  14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。
今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。
 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。
キーワード1 専業主婦志向
キーワード2 性別役割分業
キーワード3 ライフコース
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