詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 非言語コミュニケーションの重要性 ―― チアリーディングを事例に ―― |
内容 | 私たちは社会関係を形成するとき身体のコミュニケーションを基盤とする。これを通して社会における制度や規範を作っていき、それがまた自らの身体に還元されて再生産される。こうした循環を生きる身体と先ほど出た希薄な人と人との関係性や人間の身体的な感覚を越境した過剰なモノと情報との接触や無機質化した都市の景観といった空間を生きる身体はかけ離れている。この相違は現代において身体のコミュニケーションが欠けていることによって起こると感じた。そこで身体的なコミュニケーションを重要とするチアリーディングのスポーツを対象にその重要性について考えた。結果として、競技の成績は本番一度限りの成績であり当人たちのコンディション以外に、それまでの長期にわたる身近な人間関係が影響してくることが分かった。またそれは1人の問題ではなく集団・社会に影響して循環されるものである。よりよい社会をつくるためにはよりよい人間関係をつくるべきであり、その人間関係をつくるには非言語コミュニケーションが必要不可欠なのである。非言語コミュニケーションに経済的な要素は必要なく、ただ個人のささいなことでいいのだ。他人へ少し興味をもつことや、気遣ってみること、言葉を使わず握手だけでもいい、そんなささいなことが自分の人間関係につながり、集団のパフォーマンスを上げるのである。 |
講評 | 14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。 今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。 |
キーワード1 | 非言語コミュニケーション |
キーワード2 | 社会関係 |
キーワード3 | 人間関係 |
キーワード4 | チアリーディング |
キーワード5 | |
戻 る |