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学科 | 社会学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 戦後消費社会論の展開と脱物質主義化する消費社会 ――記号消費論に着目して―― |
内容 | 本稿は日本の消費社会がどのように変化していったのかということ、その中でも特に80年代に盛んに論じられた記号消費論に着目し、80年代の消費と現在の消費について比較、考察したものである。 まず、第一次世界大戦後アメリカで誕生した消費社会が第二次世界大戦後に日本でどのように受容され、発展、変化してきたか、またその中で消費社会論がどのように展開されてきたのかについて考察した。80年代はボードリヤールが『消費社会の神話と構造』の中で論じたような記号消費という消費社会の捉え方について論じた。 80年代以降の日本の消費社会は脱物質主義化という言葉とともに記号消費はされなくなっているという見方がなされている。しかし、厳然として記号消費はなくなることはなく継続しており記号消費論という見方それ自体が否定されるものではない。 80年代にボードリヤールが論じたように記号的な消費それ自体が消費を牽引し、需要を創出するということは現在の社会では考えにくいが、それでも記号消費論の持つ意味は現在でも大きいということが明らかになった。 |
講評 | 14本の卒論が提出されました。テーマは、オンラインゲームにスポーツ政策、世界の幸福感、少年非行、死刑制度、中高一貫校、専業主婦志向など、多岐にわたるものでした。 今年はGPの相互啓発活動の一環として、北海道大学文学部の平沢ゼミと合同ゼミを10月末に行ない、いつもの年とは違った形で進んだ卒論作成でした。合同ゼミの後の私は「適度な緊張感と自負心・愛校心(?)を持ちながら徐々にお互い打ち解けていった結果、通常のゼミ合宿をはるかに上回る効果が得られた」と書いています。それがほんとうに論文としての成果に表れたのかどうかという点に関しては、ゼミ生個々の自己評価に委ねたいと思いますが、経験としては貴重なものでした。 例年優秀作は、4年生のはじめに明確な方向性を定め、着実に積み上げ展開できた論文が選ばれることが多いのですが、今年も結果的にはそうなったようです。Sociologyに掲載される論文は、問題意識という面でも論文の内容や構成という面でも、卒業論文としては非常にレベルの高いものだと思います。他にも優れた問題意識や興味深い資料を扱ったものもあったのですが、データを扱う技能不足から残念ながら当初の目的を達成できないものもみられました。本や論文を読むスキルと併せて、資料整理技法のスキルアップの必要性を特に今年は感じました。 |
キーワード1 | 消費社会 |
キーワード2 | 記号消費 |
キーワード3 | 脱物質主義 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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