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学科 | 社会学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 立木 茂雄 |
タイトル | 対面状況における「居心地」の形成――ゴフマンの相互行為論を用いて―― |
内容 | 私たちは日常生活で「居心地」という言葉をよく使うが、それがいったい何なのかを曖昧にしか捉えていない人が多いように思える。また研究においても、日常生活のあらゆる場所・状況において通用する「居心地」を扱ったものはほとんどなかった。そこで、相互行為の中で「居心地」がどのように形成されるのかを、あらゆる要因を考慮しながら研究した。本研究では、私自身がこれまで体験した「居心地が良い」エピソードと「居心地が悪い」エピソードを挙げ、ゴフマンの相互行為の理論や概念をベースとした、「居心地」を左右すると思われる独自の4変数―「安定性」、「親近性」、「優位性」、「評価」―から、それぞれを客観的に分析した。その結果、相互行為の安定性による心的動揺が、居心地のことを指している、つまり、相互行為が安定していると居心地が良くなり、相互行為が乱れると居心地が悪くなるということが明らかになった。 |
講評 | 3回生の時から地道にErvin GoffmanのPresentation of Self in Everyday Lifeを原著で熟読し、印象操作論に準拠しながら「居心地の良さ」を規定する理論モデルを構築し、自らが体験した相互作用エピソード31例について定性的な検証を行いました。その結果、状況定義もしくはフェイスの安定性が31例すべてにわたって居心地の善し悪しを決める上で最も一貫した説明要因であることを確認しました。さらに理論的に用意した4変数だけでは説明できない状況に関する考察から、その場や対面する相手対する期待の差異が居心地を左右しうる、という新たな発見を導き出しました。立木ゼミの「私社会学」のお手本になる作品です。 |
キーワード1 | 居心地 |
キーワード2 | 相互作用 |
キーワード3 | ゴフマン |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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