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学科 社会学科
年度 2010
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 情報処理スタイルの差がリスク選択に与える影響――ヒューリスティックとプロスペクト理論を軸に――
内容 本研究は、情報処理スタイル(合理性―直観性)尺度(内藤・鈴木・坂元 2004)を用いて、個人の意思決定における性質が合理的か直観的かによって、リスク選択になんらかの傾向が出現するかを調べるものである。この直観というのは、物事の本質を一瞬で理解すること、そして意思決定においてその直観を重視するということは、ヒューリスティックを重視するということである。またこのとき、直観的得点が高いとリスク選択志向に、合理的得点が高いとリスク回避志向になるという仮定を立てた。そしてリスク選択志向を測るためにプロスペクト理論(D.Kahneman & A.Tversky)を基礎としたオリジナルの問題を作成した。答えとなるふたつの選択肢の期待値を等しくし、片方がリスク選択型、もう片方がリスク回避型になるように設定した。それらふたつを合わせて調査票を作成し、大学生を対象に配布、回収を行い、重回帰分析行った。その結果、直観的得点の大小とリスク選択には関係性が見られなかった。しかし、合理的得点が高ければリスクを回避する傾向があることが分かった。
講評 著者の人柄を反映し、とても手堅く、実直にまとめられた研究です。既に3回生の時からテーマを決定し、関連文献の読み込みも進んでいました。具体的なリサーチ・クエスチョンの立論の間に就職活動による一時のブランクはありましたが、地道な努力で挽回しました。発生確率と結果の積である期待値を一定に統制していても、合理的判断志向の人間ほどリスク回避決定をする、という結果を得ることができました。今後の追試的研究が生まれそうな予感がします。
キーワード1 ヒューリスティック
キーワード2 プロスペクト理論
キーワード3 情報処理スタイル尺度
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