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学科 | 社会学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 立木 茂雄 |
タイトル | 現代に生きる能楽師同族団――商家・工家同族団との比較から―― |
内容 | 現在までに、京都という地域の中で商業や工芸業を家業とする同族団の特質を探る研究は、着実に進められてきた。しかしながら、その他の職を家業とする同族団に関しては、未だその実態が明らかにされていない部分が多い。そこで本研究では、新たに伝統芸能を家業とする同族団を調査対象とすることで、同族団研究の中に新たな一領域を切り開くことを目的とする。本研究にて調査対象としたのは、「能楽」を家業としている同族団の一つ、A家である。A家は能楽師、シテ方観世流の家である。インタビュー調査で得られたデータをもとに、能楽師同族団の持つ特徴が、商家、工家に適用された理論によって説明可能か検証した。その結果、能楽も、実質的技術労働によって維持される家業であるという点では工芸業と同じであるため、工家同族団とは比較的近い特徴を持っていた。しかし技術継承関係に基づく「家」と、血縁関係に基づく「家」との二重構造など、従来の同族団とは異なる特徴も多くみられることがわかった。 |
講評 | 同志社社会学研究の大先達である松本通晴の京都の家族・同族団の社会学的研究を丹念に読み込み、商家同族団(松本, 1977)・工家同族団(山本, 19811)の研究成果を踏まえて、能楽師同族団のモノグラフ研究として仕上がりました。能楽師同族団は、家業が技術に依拠する点で工家同族団と類似するものの、同族内各家の関わり方が水平的である点で異なる。技術と血縁の双方の継承によって家を維持する点で商家・工家の中間的性格をもつことが明らかにされています。もう少し磨けば学術論文への道が開ける作品です。 |
キーワード1 | 同族団 |
キーワード2 | 能楽師 |
キーワード3 | 家業 |
キーワード4 | 「家」 |
キーワード5 | |
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