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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 学歴社会の認識は学習意欲を向上させるのか ―親の階層別から考察― |
内容 | 本論文は学歴社会に関する認識が学習意欲に結びつくか否かについて、親階層の影響に注目して考察するものである。日本の学歴社会の構造としては小・中学校段階の義務教育に加え高校教育の就学率も100%近くになってから久しく、その準義務化がうたわれている。さらに高等教育機会の拡大も手伝い、日本社会における学歴について縦の学歴差以上に横の学歴差の重要性がますます高まっている。こうした状況において、子どもとその親は従来にも増して学歴の差異化競争に加わらなければならなくなる。 本論文では、このような競争で成功するために親の階層が非常に重要であることを突き止めた。競争への参加が学歴社会に関する認識にもとづくと前提する場合、その認識のあり方が階層により異なる可能性が考えられる。そこで階層の影響が経済的な問題なのか、それとも心理的な問題なのかについて考察し、ホワイトカラー層以上の家庭の子どもでは「親階層⇒学歴社会の認識⇒親階層⇒学歴社会の具体化⇒学習意欲」という形で学歴社会認識と学習意欲とが結びつくという仮説を立てた。これはホワイトカラー層に限られた仮説であるが教育機関のバックアップと親の理解とにより学歴社会のイメージを具体化することができれば、ブルーカラー層以下でも、学歴社会の認識を梃子に子どもの学習意欲を向上させることができると考えた。 |
講評 | 今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。 |
キーワード1 | 階層 |
キーワード2 | 学歴社会 |
キーワード3 | 学習意欲 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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