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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 新興国ブラジルの成長 ―従属国から産業大国へ― |
内容 | この論文は過去に植民地となっていた地域の中でも、特に近年の経済成長が著しいブラジルを分析対象として取り上げている。前半ではウォーラスティンの世界システム論とAGフランクの従属論を用いながら、ポルトガルの植民地であったブラジルが宗主国とのあいだに結ばれた社会関係の影響により、自由に産業が生み出せない低開発の状態に置かれていたことについて論じている。 後半では第二次世界大戦後に始まったインフレ問題や対外債務問題について述べた後、ブラジルが所有している広大な土地と、政治的・社会的安定性が近年の経済成長に及ぼしたプラスの影響について論じている。とりわけブラジルにおいて農業が強いことをはじめ、国の経済的発展を促すうえでさまざまな産業が強みをもっていた点について指摘する。 そして最後にBRICS諸国ならびに南米の他国と比較しても経済や政治が安定しており優位に立っている点、税金問題、治安などについて改善すべき課題を抱えている点、今後も農業を中心とした産業によるさらなる経済成長の可能性をもつ点を指摘することで、本論文の結びとしている。 |
講評 | 今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。 |
キーワード1 | ブラジル |
キーワード2 | 従属国 |
キーワード3 | 経済成長 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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