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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 幼稚園教諭からみた女性の就労 ―ある私立幼稚園を対象として― |
内容 | 日本において幼稚園教育の重要性はよく認識されているが、それに従事する教諭について目が向けられることは決して多くない。幼稚園教諭は若い女性が多く、早期退職が一般化しているのが現状である。その理由は結婚・出産が多いが、その他あいまいな理由も多くある。国家資格を持った専門職である幼稚園教諭が結婚・出産までしか勤めていない現状には、どういった原因があるのだろうか。本論文では、労働者の意識と労働環境の2つの点から仮説を立て、インタビュー調査によって分析した。 結果、幼稚園教諭は労働を長いスパンで捉えていない傾向が強いこと、幼稚園教諭の労働環境が非常に特殊であること、私立幼稚園と公立幼稚園とで教諭の待遇に大きな違いがあることが分かった。教諭は公立と私立の違いを認識した上で、どちらで働くかを決めており、長く勤めようと考えている教諭は公立に、そのように考えていない教諭は私立に勤める傾向が強い。また、私立幼稚園で長く続けたいと思う者でも、出産後の仕事は現実的に難しいと考えている。園の特殊な環境や教諭のライフサイクルなどによって、結果的に教諭の勤続年数が決定づけられるのである。また、幼稚園教諭が人気の職種であるがゆえに、新しい人材には事欠かない。そのため、幼稚園側も早期退職を問題視していないのが現状である。 |
講評 | 今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。 |
キーワード1 | 幼稚園教諭 |
キーワード2 | 女性の就労 |
キーワード3 | 労働意識 |
キーワード4 | 勤続年数 |
キーワード5 | |
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