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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 尾嶋 史章 |
タイトル | 不登校 -学校社会からの逸脱- |
内容 | この論文のテーマは社会問題のひとつであるひきこもり・ニート・不登校である。その中でもとくに不登校に焦点を当て、「私事化」「私秘化」「ボンド理論」という3つのキーワードをもとに不登校を生じさせる仕組みについて研究をすすめた。不登校はその性質上、精神科によって担われる事が多いが、本論文では不登校を規模こそ小さいものの、学校といういわばひとつの社会の中で起きた逸脱現象と捉え、この問題に社会学的な観点から考察を加えた。統計学の発展で私秘化、つまり周りに対しての“自分”というものを大切にする様になる、が進み、生徒の自由は拘束され、さらに私事化の進行に伴い現代の子どもたちは耐える力を失っている。 このような状況において、何が子どもたちを学校に引き止めているのかを、T.ハーシィのボンド理論にもとづき分析した。分析の結果、ボンド=社会的絆の4要素――「アタッチメント」「コミットメント」「インボルブメント」「ビリーフ」――を深く掘り下げることで、これらの社会的つながりの糸が細くなり、以前では不登校に陥らない様なケースでも生徒が登校する意味を失い、不登校になり得るということが分かった。 |
講評 | 今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。 |
キーワード1 | 私事化 |
キーワード2 | 私秘化 |
キーワード3 | ボンド理論 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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