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学科 社会学科
年度 2011
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル Uターンと就職について ―富山県を中心に地方Uターン就職について考える―
内容  この論文は、富山県を中心に地方における新卒Uターン就職に焦点を当て、インタビュー調査等からその傾向と特徴を明らかにしている。
人々が地方から都市へと出ていく理由は、教育機会や地位達成機会の不平等、銘柄大学の魅力、都市の魅力などが挙げられる。Uターンの理由としては、自らにかかるであろう経済的・精神的な負担などの軽減や地元貢献意識などがあげられることがわかった。
 地方におけるUターン学生の受け入れは、企業と行政のそれぞれに、地方活性化や優秀な学生を採用できるなどの様々なメリットをもつことが明らかとなった。地方自治体における就職支援の例としては、富山県における就職支援政策を取り上げ、その実態を分析した。インタビューでは、大学進学時には所在地よりも偏差値や学部で大学を決めたということ、就職時には大手・有名企業への就職を一度は意識することなどがUターンをおこなったグループとおこなわなかったグループの両方に共通して語られていた。
 また、Uターン希望者は大学進学時の移動不安が大きかったこと、「地元」と意識する範囲の違いなど、グループ間の違いも明らかとなった。
今後、企業と行政がさらに連携・連帯し、就職支援対策を講じていく必要があると考えられる。一方で、学生も広い視野を持つことで、よりスムーズな就職が可能になることも、この研究から示唆された。
講評  今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。
 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。

キーワード1 Uターン
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