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学科 社会学科
年度 2011
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 大阪子ども文庫運動にみる女性の社会参加
内容  1970年代以降の大阪で展開された子ども文庫運動を題材に,その担い手となった女性たちへのインタビューを通して,女性の社会参加への意識がどのように変化してきたか,それがどのように文庫運動へと結びついてきたかを分析した.社会参加への強い意志をもつ女性たちによって運動がはじまった1970年代,文庫数が増加し新たな担い手が参入した80年代,担い手たちが減少し活動内容を模索し始めた90年代以降と,世代を追うごとに女性たちの生き方は多様化し,社会参加への渇望は薄れていった.
 このように担い手が変化していく中でも,大阪の子ども文庫は,子どもと読書についての時代の要請を敏感に感じ取りながら活動を継続した女性たちに支えられ存続してきた.この姿勢が行政からの理解と協力の獲得に結びつき,一定の成果につながったのである.今回の分析を通して,担い手の世代交代の困難や,運動に深くコミットできた人とそうでない人の存在が浮かび上がってきた.
 今後,これらの点について分析を深めていくことで,家庭を持つ女性が社会参加していくことや市民運動を継続していくことを理解するためのさらなる糸口がつかめると考える.
講評  今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。
 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。
キーワード1 女性の社会参加
キーワード2 子ども文庫
キーワード3 市民運動
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