詳細
学科 社会学科
年度 2011
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 日本企業内労働環境におけるつながりの存在とその推移
内容  日本の企業内労働環境におけるつながりについて、社会関係資本の概念を用いて考察する。本論文の問いは、「日本企業内労働環境における社会関係資本はどのように存在し得るか」「その社会関係資本はどんな推移を持って変化してきているか」というものである。本論文の第2章でパットナムやブルデューらが行った先行研究を参考に、信頼・規範・ネットワークから分類し、企業資本における社会関係資本の位置付けを定義する。3章で国民性調査の結果を利用し、そのつながりへの人々の意識の変化をグラフにし、2章で定義したものと絡めて論じる。4・5章では企業内での労使関係や企業別労働組合を題材に、社会関係資本の変化を辿った。その結果、社会関係資本は同質の規範を持つ集団内で強い信頼関係が生まれ、ネットワークとなって存在しうることが判った。その社会関係資本は労働者の意識低下や、労働環境におけるつながりの他の事柄での変化という形で現れた。
講評  今年の卒業論文は、17名という大所帯でした。この17名が、論文の提出受付開始から20分あまりで全員提出しました。例年になく提出準備が万全だったことはゼミ全体として評価されるべきことだと思います。
 中味に関しては、例年のことですが、はじめから方向を定めて着実に積み上げていったものが結果的に成果を得たようです。とりわけ卒業論文集に載った2本の論文は、問題設定が明確で、実証的なデータ(インタビュー)を積み上げていき、設定した問題・疑問に対して回答を求めていく論文の形式ができており、完成度の高いものになっています。他の論文も、卒論としては十分なレベルに達していたものが多かったと思います。ただし、時間の問題もあったかもしれませんが、論文の構成や内容に修正の余地を多く残した論文も若干みられたのは残念でした。

キーワード1 社会関係資本
キーワード2 つながり 
キーワード3 労働
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.