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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 携帯電話が青年期の交友関係に与える心理的影響―友人との心理的距離・同調への影響― |
内容 | 今や誰もが持っている携帯電話。その携帯電話の利用が知らず知らずのうちに交友関係に与えている心理的な影響について分析した。今回の分析では、交友関係については、友人との心理的距離と友人への同調の2側面に焦点をあてて分析を進めた。その結果、携帯電話は、友人との心理的距離には、影響を与えずに、友人への同調だけを高めるツールだということが明らかになった。 つまり、携帯電話によって、心理的な距離が近い人との交友はより密着的になる傾向にあるが、そうでない人とは無理に合わせているだけの表面的な交友を助長するメディアであることがわかった。携帯電話が普及する以前から、現代の青年は友人関係が希薄化しているという議論がよくなされていたが、携帯電話の普及によって、友人への同調だけが高まり、表面的な交友が深刻化している可能性が示唆された。 |
講評 | 本論文は、今やミニパソコン状態と化した携帯電話は、メールのみならず、Twitterやfacebookの閲覧、書き込みも可能である中、若者の日常のコミュニケーションは、どのような状態にあるのか、頻度が増えることが友人として心が通じ合うことにつながるのか、あるいは表面的な関係が助長されるだけなのか、という問題設定を行ない、アンケート調査を行ったものである。青年期の心理状態に関しては、インターネット普及前から、高い密度でつきあえる人から表面的なつきあいの人まで、心理学分野で研究されたものがあったため、それらの先行研究を見出し、自身の調査票に生かしている。 先行研究と自身の問題意識の摺り合わせに努力し、調査票設計も熱心であった。データ収集も自身で行ない、オリジナルデータをもって自身の問題意識の解明に取り組んでいる。ネット社会と現実社会の光と影の一面を描こうとした意欲作である。 |
キーワード1 | 携帯電話 |
キーワード2 | 心理的距離・同調 |
キーワード3 | 友人関係の希薄化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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