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学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 女性管理職の現状 ―新聞のデータベースから― |
内容 | 男女雇用機会均等法の最初の改正から、26年が経つ。しかし、この法律があるにもかかわらず、労働率や賃金、再就労、昇格・昇進などにおいて、いまだに働く上での男女格差が存在する。この事実をうけて、本研究では男女格差の指標として女性管理職の少なさについて調査を行った。着眼点としては、マスメディアである新聞が、女性管理職についての新聞記事を継続的に取り上げなくなると、企業や個人への社会的圧力が弱くなり、女性管理職を増やさなければいけないという意欲が減少し、増員へとつながらなかったのではないかという仮説を立てた。 この仮説を検証するために、日経新聞のデータベースでの女性管理職に関する記事数と、管理職の女性比率の変動とを分析した。その結果として、女性管理職は新聞記事数にかかわらず、微増傾向にあり、男女雇用機会均等法の改正時期が、記事数に影響している点が大きいため、女性管理職、男女雇用機会均等法に関する記事の取り上げ数が大きな影響力をもっているとはいえなかったが、記事の増減と女性管理職の割合が小さなレベルで連動していることが分かった。 |
講評 | 本論文は形式的で実効性のない法律が民間ルールを越えられない事例の一つとして、男女格差がなくならない日本社会に対する問題意識の中で、女性管理職の増加が低迷していることに焦点を当てたものである。法律で推奨することが望まれても男女平等ではないことが多い中、法律に代わる人々への働きかけのツールとして、マスメディアの存在に着目し、もっと新聞記事で男女平等が多く取り上げられていれば、女性管理職が増えたのではないかという仮説を検証している。実際には男女雇用機会均等法に関する政府の働きかけの効果は見られ、法律の公布、改正後の記事の増加、女性管理職の継続的な微増が観察され、マスメディアの影響はあまり大きくないことが示された。しかしながら、女性管理職の増加傾向の中にも小さな増減があり、それに記事数の増減がやや連動しているような傾向が見られたことから、仮説は多少なりとも支持されたといえる結果であったといえよう。 |
キーワード1 | 男女雇用機会均等法 |
キーワード2 | 女性管理職 |
キーワード3 | 日経新聞 |
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