詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 帰国生と一般生における生活意識の比較 |
内容 | 「帰国生(一般的には帰国子女と呼ばれるが、本稿では帰国生と呼ぶ)」に対するイメージは人それぞれだろう。帰国生は、「英語を容易に話すことができる」「外国人のように誰とでも気軽に話すことができる」などと、思われがちであるが、実際には一般生に大きな違いはない。本研究は、そのことを証明するために帰国子女受け入れ校の中学生102名にアンケート調査を行なった。分析方法は、帰国生と一般生で社交性や授業の取り組み方などの視点から、比較を行なった。その結果、帰国生と一般生で比較を行なっても、社会的スキル、学習意欲、文化的アイデンティティなどに大きな違いは見られなかった。そこで、帰国生だけでコントロールして比較を行なったところ、居住地域や海外在住期間で比較を行なっても、意識や行動に差はみられなかった。 その中で、帰国生が海外で通っていた学校の種類(現地校・日本人学校)で比較を行なったところ、授業の取り組み方で積極性に違いがみられた。その要因に日本人学校は、海外にあるものの日本の学校に通うことと、ほぼ同じ学習環境、学習スタイルだということが挙げられる。また、帰国後の経年年数別でも差がみられたことから、帰国してからの月日が長くなることで、再び日本人らしさを内面化する傾向があることが発見された。本研究は、イメージの中の帰国生と実際の帰国生とは異なり、彼/彼女らの国外経験、条件によって日本育ちの生徒と全く変わらない者もいれば、異なる意識、行動の者もいるという、その多様性を明らかにした。 |
講評 | 本論文は、筆者自身が帰国生比率の高い高校の卒業生であり、帰国生と一般生の友人に違いがないと感じている中、先行研究では帰国生と一般生の違いを強調するものが多く、問題意識をもったことから始まっている。調査スキルの習熟度が低い中、調査票設計、調査実施、調査対象校との交渉に苦労していたが、調査票作成過程では、対象校の現場の先生方のアドバイスを多く受け、調査票完成、実査に至った。データ分析スキルも習得に苦労していたが、努力をしながら全てのことを乗り越えて達成したことが評価できる。分析結果は、筆者が元来感じていた通りの結果となり、帰国生、一般生との違いは大きくないという、先行研究を覆す知見を得ている。もう少し、分析、考察を掘り込めれば、よりよい論文になったと思われる。 |
キーワード1 | 帰国子女 |
キーワード2 | 社交性 |
キーワード3 | ギャップ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |