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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 宇治郷 毅 |
タイトル | 日本統治下台湾教育史における「皇民化」 |
内容 | 明治新政府として幕府を中心とした封建社会から脱却し、近代国家に向け歩みはじめた「明治維新」の頃、アジアが西欧列強に侵略されていくといった激動の時代にあった。そういった弱肉強食である時代において、日本は「富国強兵」を掲げ、西欧列強に負けない強い国づくりを目指した。やがて日清戦争に勝利し、清国より台湾を割譲させることとなる。かくして日本にとってはじめての植民地統治が幕を開けたのだ。 当時、西欧列強は植民地に対し経済的利益の搾取のみを行い、また植民地における同化政策は不可能であるとしていた。しかし日本は台湾において、日本語教育を軸とした忠良なる日本臣民を創り上げることを目的とする同化政策を展開する。そしてその同化、つまり台湾人に日本人化を求める動きは、時局の進展に伴いより強固なものとなり、同化の最終的な目標でもある「皇民化」へと繋がっていく。 本著において、同化政策が強化され「皇民化」へと進んでいく過程をその時代背景と関連付けて考察し、「皇民化」とは何であるのか、論じていきたい。 |
講評 | 難しい課題に取り組み、台湾植民地期の教育に及ぼした皇民化政策の意義を明らかにしようとした意欲的な論文である。同化政策の過程で伊澤修二の果たした役割、台湾教育令の役割、日本語教育、教育勅語、内台共学、社会教育の意味などがよく分析されている点が評価できる。 ただし、皇民化の内実については、教育勅語、日本語教育、内台共学に加えるに、日本の戦争目的遂行のために「天皇制国民統合」に組み込まれた台湾人の精神的日本化(神社参拝、皇国臣民の誓詞などによる文化統合)の諸施策によって完遂されようとした点について強調すべきであったと思われる。 |
キーワード1 | 台湾 |
キーワード2 | 皇民化 |
キーワード3 | 同化政策 |
キーワード4 | 植民地統治 |
キーワード5 | 台湾教育 |
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