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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 宇治郷 毅 |
タイトル | 変容するインドの食文化 ―宗教と食の相克から現代インドを考える― |
内容 | インド人は自らが信仰する宗教、カースト階級により食べる食材が制限されている。これにはヒンドゥー教特有の浄・不浄観が深く関係している。この浄・不浄というのは、我々がもつ清潔・不潔という感覚とは全く別物である。インドでは全ての食材が浄・不浄観により序列化されており、浄性の高い者は浄性の高い食材を、浄性の低い者は浄性の低い食材を食している。さらに不浄は伝達すると考えられており、それを防ぐため、食事をする際には様々なルールがある。この伝統的概念はインドの長い歴史の間、厳格に守られ続けてきた。 しかし近年、この伝統的概念が揺らぎつつある。1990年代に入ってから、インド経済は急速な成長を遂げており、1991年に経済自由化政策を実施して以降、経済体制の抜本的な改革と対外開放が始まり、1991年には2.14%だった実質経済成長率は、2011年には8.24%にまで上昇している。この経済成長に伴い登場した中間層は、伝統的概念をもちつつも、我々のもつ清潔・不潔の概念も受け入れつつある。本稿ではインドの食文化がいかなるものかを紹介し、近年のグローバル化に伴う食文化の変容について考察する。 |
講評 | 興味深いテーマを取り上げた点は評価できる。現代インドの中間層が欧米文化の影響を受けて、清潔・不潔概念を受け入れ、伝統的な浄・不浄概念の変容を示している点は現代インドの変貌、発展の一現象であろう。これは食文化だけでなく、衣、住、ライフスタイル、他の文化にも起こっていると思われる。 しかしながらインドは変貌の中でもヒンディー教の伝統的観念を確固として維持していることもインドをインドたらしめている特質であろう。 |
キーワード1 | インド |
キーワード2 | ヒンドゥー教 |
キーワード3 | 浄・不浄観 |
キーワード4 | 菜食・非菜食 |
キーワード5 | 食文化 |
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