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学科 教育文化学科
年度 2011
ゼミ名 吉田 亮
タイトル 戦間期におけるハワイ日系二世の職業問題とアメリカ化―日系市民会議を事例に―
内容  本論文は、ハワイで排日運動が激化した1920年代から1930年代に、日系二世が直面した職業問題におけるアメリカ化を、日系人の視点から再考察する試みである。二世のアメリカ化運動の一つである日系市民会議では、白人支配層・日系人リーダーによってプランテーション労働を推進する「帰農論」が展開された。従来のアメリカ化の研究で「帰農論」に焦点を当てたものはほとんどなく、わずかな先行研究では「帰農論」を提唱者奥村多喜衛の視点で肯定的に述べている。 しかし、過酷な環境・待遇の中で長年プランテーションに従事していた日系人は、「帰農論」の将来性に懐疑的であり消極的であった。彼らは真のアメリカ化実現にはプランテーション労働ではなく、他職業やホワイトカラー職に就くことにより社会的地位を上昇させ、他のアメリカ人と平等な立場になる必要があると考えていた。このように日系人が主体的に職業問題に取り組んでいたことは、彼らがより真剣に、積極的に、アメリカ化実現を目指していたことを示している。
講評  本論文は,ハワイ日系人史の中でも特に戦間期日系二世のアメリカ化問題について「帰農論」を中心に分析したものである。ハワイの白人及び日系一世主導層が提唱し,日系市民会議が主唱する「帰農論」にいかに日系二世が抵抗したのかを見ようとしている。実際に日系市民会議でどのような「帰農論」が議論され,二世がその議論にどのように反応したのか,『布哇報知』に掲載されたひとりの日系二世の声は果たして一般の二世の見解であるといえるのかどうか,他明らかにすべき課題が多く残っている。
キーワード1 アメリカ化
キーワード2 日系二世
キーワード3 ハワイ
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