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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 吉田 亮 |
タイトル | 1950年代における黒人大学のリーダー教育観―The Journal of Negro Educationを手がかりに |
内容 | 1950年代のアメリカ社会は、黒人の手による権利回復運動により、分離社会から統合社会への転換期にあった。本研究ではそれらの指導者であった黒人リーダーを育成・輩出していた黒人大学に着目し、黒人大学がどのようなリーダー観を持ち統合社会を形成していこうとしていたのかについて、黒人大学出版物The Journal of Negro Educationを用いて研究する。 同誌は人種統合教育に関する裁判や公民権に重点を置き、黒人大学統合社会を目指す姿勢を見せている。その中で、黒人大学は2つのリーダー像を掲げていた。1つは当時台頭していたキングの様な一般大衆のリーダー。2つは当時のハワード大学学長であったジョンソンである。前者は黒人コミュニティ、後者は連邦政府などの国家的機能に働きかけを行っており、両者の補完関係があったことが分かった。黒人大学は彼らのようなリーダーを育成することで、統合社会を促進させる原動力を育成していたのである。 |
講評 | 本論文は,アメリカ黒人史において黒人リーダー育成に果たした黒人大学の役割に注目し,黒人エリート層が出版した代表的な刊行物The Journal of Negro Educationに示された1950年代の黒人リーダー像の変化を分析する事例研究をおこなった。黒人高等教育機関の通史的研究や現在の役割に関する研究とは違い,本論文は黒人史の転換点である1950年代に焦点をあて,大衆を組織するリーダーとアメリカの体制に働きかけるリーダーという二種類のリーダー像を提示し,かつこれらのリーダー像は相補関係をもっていたことを明らかにしたところに特色がある。 |
キーワード1 | 黒人高等教育 |
キーワード2 | リーダー教育観 |
キーワード3 | 人種統合社会 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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