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学科 | 社会学科 |
年度 | 2008 |
ゼミ名 | 小林 久高 |
タイトル | フランスの社会構造と、移民系住民による逸脱行動-同化・統合ではない、“順応”の必要性- |
内容 | 本稿の目的は、フランスにおいて、しばしば暴動や社会運動などの逸脱行動を起こす移民系住民に焦点を当て、彼らが何故、そのような逸脱行動を起こすのかを明らかにすることである。筆者は、仮説として、移民系住民は、フランス社会のめざす目標に対して、アプローチする制度的手段が不足しているため、逸脱行動を起こすと考えた。また、制度的手段が不足する原因は、移民に対する社会的排除であるとした。移民に対する社会的排除と、それに呼応しての暴動や社会的運動の事例を二つ挙げ、それぞれに対して、アノミー理論や相対的剥奪論など、社会学の理論を用い、分析した。結果、移民が、社会の目指す目標に対して、アプローチをする手段が不足していることを、結論とした。そして、筆者は、移民系住民が社会的排除の影響を受けないために、移民から自発的に社会へ参加することを可能にし、国も移民と共に生きる“順応”という概念の可能性を指摘した。 |
講評 | 本年度の卒業論文については、内容の多様性が特徴としてあげられるだろう。計量分析、フィールドワーク、概念的検討、小説の分析、文献研究と、用いられている方法は多様であり、各自自らの方法に基づきロジカルに論を展開し、それなりの結論を導き出している。飛びぬけてよくできているものはなかったが、問題外といったものもない。ただ、興味深いアイデアを含んでいる論考が数点あり、もう少し手をかけていればかなりいいものになったと予測できる。「時間切れ」がやや残念である。 |
キーワード1 | 移民 |
キーワード2 | 逸脱行動 |
キーワード3 | アノミー |
キーワード4 | フランス |
キーワード5 | 順応 |
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