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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 小林 久高
タイトル 現代社会の非寛容
内容  本稿では、まず人の他人に対する非寛容がどのようなものかを分析し、それから、非寛容がもたらすもの、次に非寛容に影響を及ぼす属性について論じている。非寛容の種類を4つ設けて従属変数として使用し、分析を進めている。それは、「アウトロー的生き方非寛容」「マナー違反非寛容」「権威主義的パーソナリティ非寛容」「ささいな迷惑行為見逃さない」の4つである。それぞれの非寛容が、個人意識、社会観、人とのかかわりなどの価値観に影響をもたらしていることが分かった。アウトロー非寛容では集団主義的に、マナー違反非寛容では個人主義的に影響していた。非寛容と属性では、性別、両親の家事分担、出生順位、父の職業、余暇時間と深い関係がみられた。
 分析の結果、非寛容はさまざまに影響があるものであった。分析に使用した非寛容の4類型では、価値観の部分でも属性の部分でもそれぞれ違った結果が得られた。筆者は、現代社会には、寛容が必要であるとして本稿の分析を進めたのであるが、一概に寛容が良いとは言えない結果となった。寛容と非寛容両方の折り合いが必要となってくる。
講評  本年度の卒業論文については、内容の多様性が特徴としてあげられるだろう。計量分析、フィールドワーク、概念的検討、小説の分析、文献研究と、用いられている方法は多様であり、各自自らの方法に基づきロジカルに論を展開し、それなりの結論を導き出している。飛びぬけてよくできているものはなかったが、問題外といったものもない。ただ、興味深いアイデアを含んでいる論考が数点あり、もう少し手をかけていればかなりいいものになったと予測できる。「時間切れ」がやや残念である。
キーワード1 非寛容
キーワード2 権威主義的パーソナリティ
キーワード3 集団
キーワード4  
キーワード5  
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