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学科 メディア学科
年度 2011
ゼミ名 柴内 康文
タイトル 口コミサイト投稿者の特性と利用率調査
内容 本卒業研究では、インターネット上の口コミサイトにおける“投稿者”の増加を目的に、投稿者の特性を探る研究を行った。先行研究より、「口コミサイトに投稿する人は、自己評価、自己効力感を高めることが目的で投稿している」という仮説を立て、女子大学生を対象とした口コミサイト「アットコスメ」の利用度と心理尺度を測るアンケートで調査、分析を行った。さらに、自尊感情に効果的である口コミサイトのシステムと投稿率における関係性を、4つの口コミサイトの公表データを元に比較、分析した。いずれの研究においても、仮説が支持されることはなかった。しかし、本研究を通して投稿者の特性であるマーケットメイブン度が高くなればなるほど、口コミサイトに対する関わりが強ま ること、またサイト分析より、自己高揚を満たすために投稿という行為が発生していることが明らかになった。
講評  試問において質疑を行いましたので、個別の講評は控えます。試問では、まず論文の弱点がどこにあるのかについて自分なりの認識があるかどうか、その弱点をふまえても自説(検証の目的であった当初の仮説ではなく、分析・考察の結果引き出した結論)が維持できると考えているかどうかについて問いました。自分のウィークポイントは何かについて明確に認識していることは自説防御の出発点であり、またその事前検討によって、自説をさらに補強できるわけですから、「この論文を批判するとしたらどこになるだろうか」という目で自分の主張を検討するクセはつけてもらえればと思います。そのあたりの認識が十分でなさそうな人には、特に技術的な面での問題点を重点的に確認するようにしたので、そこではじめて気づいたこともあったかと思います。
 技術面での質問以外では、同じ問題や結果を異なる角度、自分の置く前提や立脚点と異なる点から見るとどう考えられるか問いかけてみました。これについては、ピンと来なかったり何を言われているのかよくわからなかったりしたケースもあったのではないかと思います。それも無理ないことでしょうが、私としてはそれほど的外れなことを言ったわけでもないので、もし機会があったら反芻してもらえれば、いつか何かのヒントになることもあるかもしれません(どういう意図であったかについては言挙げして説明することはしません)。
 長期間にわたって論理を組み立て、それを検証するという作業をするのは初めてだったのではないかと思います。論理を紡いでいくことの難しさ、浅い予想を裏切る現実のデータの振る舞い、調べれば調べるほど認識される「自分が何もわかっていない」ということなど、いろいろな経験をしたでしょう。そして、そのような困難と立ち向かいながら語ることが持つ貴重な価値も認識したはずです。それぞれ得ることのできた何がしかを、今後も生かしてもらえればと思います。
キーワード1 口コミ
キーワード2 自尊感情
キーワード3 マーケットメイブン
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