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学科 | メディア学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 柴内 康文 |
タイトル | 血液型ステレオタイプが自己概念に及ぼす影響について |
内容 | 近年、血液型と性格が関連するという考えが一般的に認識されているが、現在その二者間の関連についての科学的証明はなされていない。それにも関わらず日本では二者の関連が当たり前のように論じられ、血液型によるステレオタイプが個々の人格形成や対人関係形成に影響を与え、多くの問題を生んでいる。 本研究の目的は人間の持っている血液型によるステレオタイプが自己概念に影響を与えるのかについて検討し、無意識のうちに人間が血液型に影響を与えられているのかを探ることである。特に、その中でも一般的に広く浸透し、かつ、好意的なステレオタイプは自己概念に影響を与えているのではないかという部分を仮説として提示した。 調査分析の結果、全ての血液型においてこのような影響があると考えていたがA型においてのみ、一般的に浸透しかつ好意的なステレオタイプが自己概念に影響を与えていた。これは注意すべき現象であると考えられるが他の血液型で影響が出なかったことから考えると思っていたよりも血液型に影響受けている人間は少ないのかもしれない。 |
講評 | 試問において質疑を行いましたので、個別の講評は控えます。試問では、まず論文の弱点がどこにあるのかについて自分なりの認識があるかどうか、その弱点をふまえても自説(検証の目的であった当初の仮説ではなく、分析・考察の結果引き出した結論)が維持できると考えているかどうかについて問いました。自分のウィークポイントは何かについて明確に認識していることは自説防御の出発点であり、またその事前検討によって、自説をさらに補強できるわけですから、「この論文を批判するとしたらどこになるだろうか」という目で自分の主張を検討するクセはつけてもらえればと思います。そのあたりの認識が十分でなさそうな人には、特に技術的な面での問題点を重点的に確認するようにしたので、そこではじめて気づいたこともあったかと思います。 技術面での質問以外では、同じ問題や結果を異なる角度、自分の置く前提や立脚点と異なる点から見るとどう考えられるか問いかけてみました。これについては、ピンと来なかったり何を言われているのかよくわからなかったりしたケースもあったのではないかと思います。それも無理ないことでしょうが、私としてはそれほど的外れなことを言ったわけでもないので、もし機会があったら反芻してもらえれば、いつか何かのヒントになることもあるかもしれません(どういう意図であったかについては言挙げして説明することはしません)。 長期間にわたって論理を組み立て、それを検証するという作業をするのは初めてだったのではないかと思います。論理を紡いでいくことの難しさ、浅い予想を裏切る現実のデータの振る舞い、調べれば調べるほど認識される「自分が何もわかっていない」ということなど、いろいろな経験をしたでしょう。そして、そのような困難と立ち向かいながら語ることが持つ貴重な価値も認識したはずです。それぞれ得ることのできた何がしかを、今後も生かしてもらえればと思います。 |
キーワード1 | 血液型ステレオタイプ |
キーワード2 | 自己成就現象 |
キーワード3 | 社会的アイデンティティ理論 |
キーワード4 | 自己ステレオタイプ化 |
キーワード5 | 血液型性格診断 |
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