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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 阿形 健司 |
タイトル | 「ニート」・「フリーター」論における心理主義―マスコミの役割― |
内容 | 本論文では、「ニート」と「フリーター」を取り上げ、定義や歴史を改めて見直していく。定義はいくつかあるが、ここでは代表的な厚生労働省と内閣府の定義を用いる。「ニート」と「フリーター」は様々な観点からみることができる。そこで、教育社会学と労働経済学を代表として取り上げ、両学問における「ニート」・「フリーター」の捉え方の違いを明らかにする。心理主義にある教育社会学と社会構造を問題視する労働経済学を比較し、「ニート」と「フリーター」がどのように考え、捉えられているのかを探っていく。また、心理主義的立場で「ニート」を捉えてきた日本の背景にあるマスメディアの影響を考察していく。ネット、週刊誌、新聞投書欄を媒体の例とし、詳しく述べる。そしてなぜ心理主義が発展し、人々に受け入れられてきたのかを検討する。最後には心理主義を先導してきたマスメディアへの見解として、マスメディアに流されることなく物事を見極めることの大切さを訴え、本論文を締めくくる。 |
講評 | 今年度の卒業論文は、広い意味での雇用・労働に関わるテーマが大半であった。それは、(1)高等学校におけるキャリア教育の普及条件の探求・学生の就職活動における戦略的行動の社会学的分析・若年労働言説の批判的検討といった、労働への入り口における問題を扱った論文、(2)日本人の長時間労働についての多角的検討・正規雇用女性内の分化を規定する要因・中高年非正規雇用者への支援政策の評価・高齢者が就労継続をする理由の探求といった、どちらかといえば労働者に視点をおいた論文、(3)マネジメント理論の整理を通じた人間らしい労働を実現するための条件の探求・組織におけるフォロワーシップの可能性の探求といった、どちらかといえば経営者に視点をおいた論文である。これらの他に、(4)日韓英語教育の比較検討・地域ブランドと地産地消との関連の比較分析というテーマを扱った論文があった。 いずれの著者も自らの疑問にこだわって問題意識を洗練させ、資料を集め、文献を読み込み、調査を実施してテーマに真摯に取り組んだ結果、一定水準の作品を完成させることができたといえよう。もちろん、考察が一部不十分であったり、主張の根拠が必ずしも明白ではなかったり、論理展開に飛躍があったりといった課題が残されているのは確かである。卒業して社会人となれば、卒業論文のテーマを別の角度から考える機会も生まれてくるだろうから、職業生活のなかで残された課題について思考をめぐらせ続けていってほしい。 |
キーワード1 | ニート |
キーワード2 | フリーター |
キーワード3 | 心理主義 |
キーワード4 | マスメディア |
キーワード5 | |
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