詳細 | |
---|---|
学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2011 |
ゼミ名 | 三山 雅子 |
タイトル | 多重債務は自己責任に問えるのか |
内容 | この10年間、自己破産申立件数は毎年10万件を超え、引き続き高水準を保っている状況にある。自己破産申立件数が増加した背景には、グローバル化と規制緩和があると考えられる。この二つが職場を厳しく変え、誰もがいつ不安定な雇用形態に陥ってもおかしくない状態を生み出した。不安定雇用は貧困を生産する。実際に日本の貧困率は平成21年で16%となっており、世界各国と比較しても非常に高い。安全・安心のセーフティーネットがしっかり張られていない現在の日本社会では、誰もが貧困を原因とした多重債務に陥る可能性は多いにあると感じる。 消費者金融はそうした社会的弱者、経済的弱者をターゲットに、年25~29.2%の高金利で貸金する。不動産や定期預金などの担保を持たない消費者は、銀行から融資を受けることができず、高金利と分かっていても消費者金融に手を出さざるを得ないのである。本稿では、消費者金融の実態と問題点、多重債務問題を解決するために必要とされる対策について迫る。 |
講評 | 卒業論文はただ書けばよいというものではない。各人がたてた問いに対しこれまでどのようなことが論述されているのか、先行研究を知ることが必要不可欠である。卒論を読んでいて感じたのは、既存の言説をメディアに発表されたものであるというただその事のみで信じてしまっているということである。メディアに流布されている言説すべてが事実でも、真実でもない。世の中に流布している言説を自分の頭で判断して評価するという試みこそが自分の卒論をスタートするに当たって必要なことだ。学のスタートとして、まずはすべてを疑ってほしい。 |
キーワード1 | 多重債務 |
キーワード2 | 消費者金融 |
キーワード3 | 貧困 |
キーワード4 | 不安定雇用 |
キーワード5 | 自己責任 |
戻 る |