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学科 産業関係学科
年度 2011
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 格差が引き起こす教育機会の不均衡とその影響
内容  「格差社会」と表現される近年の日本であるが、この言葉はいったい何を意味するのか。裕福な者はより裕福になり、貧乏な者はより貧乏になっていくのか。競争が激しい現代社会では当然の流れと言えるかもしれない。しかし、本当にフェアな状態で競争が行われているかどうかは疑問である。家庭環境によって競争する際の有利・不利が生じているのではないか。
 たとえば、親の学歴が高ければ子どもの学歴も高くなるかもしれないし、親の収入が高ければ子どもの収入が高くなるかもしれない。金銭面だけではなく、学歴や職歴といった文化資本が継承されている可能性がある。結果的に差がつくのは仕方がないが、競争する前から結果が決まっていては単なる不平等というほかない。
このような格差を「教育」という観点から見てみたい。個々人の家庭で生じる埋めがたい格差を、教育段階でなくしていくべきである。「結果の平等」ではなく「機会の平等」を求めていく必要がある。スタートラインを等しくすることにより、誰もが挑戦できるような社会づくりが求められているのではないか。日本の教育制度が抱える問題点にも注目しながら、閉塞感漂う現状を打破する案を示したい。
講評  卒業論文はただ書けばよいというものではない。各人がたてた問いに対しこれまでどのようなことが論述されているのか、先行研究を知ることが必要不可欠である。卒論を読んでいて感じたのは、既存の言説をメディアに発表されたものであるというただその事のみで信じてしまっているということである。メディアに流布されている言説すべてが事実でも、真実でもない。世の中に流布している言説を自分の頭で判断して評価するという試みこそが自分の卒論をスタートするに当たって必要なことだ。学のスタートとして、まずはすべてを疑ってほしい。
キーワード1 教育
キーワード2 文化資本
キーワード3 機会の平等
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