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学科 産業関係学科
年度 2011
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 非正規雇用の均衡待遇を目指すには
内容  非正規雇用の問題を労働者の均衡待遇実現の観点から論じる。今までの日本社会における非正規雇用の役割を考え、彼ら非正規労働者の思いを公的統計から分析し、実際に企業の人事制度が正規労働者と非正規労働者間の同一職務階梯制度へと改定に至った例を述べ、日本における職務と評価とのありかたを検討した。非正規労働者の中でも正社員化を望む労働者は全体の三割弱でしかないが、正社員化や現雇用形態でのキャリア蓄積を望む労働者に対する施策によって、企業がいかに非正規労働者の能力の取り込みを考えているかを探った。雇用区分の違う社員の均衡待遇を積極的に導入している企業には、社員の仕事へのやる気向上の効果が見られ、社員の職場定着率の向上につながった事業所も存在した。均衡待遇や共通処遇の制度導入に際し、政府の「均衡待遇・正社員化推進奨励金」の活用が、企業と労働者との取組みに弾みをつけるように後押ししていることもわかる。今後の企業社会において労働者をいかにコスト安に抑えるかと考えるのではなく、非正規労働者も含めた労働者の幅広いニーズに合わせた人材発掘・活用を、各企業の人事戦略で発揮されなくてはならないと主張した。
講評  卒業論文はただ書けばよいというものではない。各人がたてた問いに対しこれまでどのようなことが論述されているのか、先行研究を知ることが必要不可欠である。卒論を読んでいて感じたのは、既存の言説をメディアに発表されたものであるというただその事のみで信じてしまっているということである。メディアに流布されている言説すべてが事実でも、真実でもない。世の中に流布している言説を自分の頭で判断して評価するという試みこそが自分の卒論をスタートするに当たって必要なことだ。学のスタートとして、まずはすべてを疑ってほしい。
キーワード1 正社員(正規労働者)
キーワード2 非正規労働者
キーワード3 均衡待遇
キーワード4 職務階梯(キャリア)
キーワード5  
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