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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 家族のかたち-過去・現在・未来-
内容 我々は皆、何らかのかたちで「家族」している。おそらくそのかたちは人それぞれであり、けっして普遍的なものではない。時代とともにさまざまに変化してきた日本の家族は、21世紀に入った現在、また新たな姿を見せ始めている。本稿では戦後から21世紀に入った今日まで日本において家族という存在がどのように変化してきたのかを明らかにし、未来の家族像についても考察している。
まさに「家族の時代」であった20世紀は終わりを告げ、21世紀-「個人化の時代」「個人を単位とする社会」が幕を開けた。これから個人を単位とする家族のライフスタイル化はますます進展し、人々はさらに自分自身の選好動機にもとづいた「家族」を形成できるようになるであろう。我々は古くからある伝統や束縛、規範などから解放され、自分に合った自由な家族ライフスタイルを選択する時代になったのだ。
しかしながら、こうした自由を手にすることは、人を新たな困難へと導く、逆説的一面を持ち合わせていると言える。自分の意思を人生に組み込んでいくことができる一方、誰かを愛し、愛されることにリスクを負うこととなるのだ。我々は、男女が互いの考えを尊重しながら、共に生活していくことを理想とする。それは、パートナーとのコミュニケーションの中で、自分自身を探し、見つけ、それを相手の中に映し出そうとしているからなのかもしれない。家族の個人化・多様化が進む中で、それでもなお、人々が誰かと一緒にいたいと望むのは、こうした理由からなのではないだろうか。
 これからの未来、我々は誰かを頼り、依存するばかりでなく、個々に自立することが必要である。そしてそれを前提に成り立つ「家族」は、時代とともに変化し、型にはまることのない自分だけのスタイルを持つ。家族を形成した上でそれぞれが自分の生活を充実させ、かつ愛情にもとづいた関係を築くためには、政府による社会保障制度の充実などはもちろん、我々自身も時代の変化に対応していかねばならない。一人ひとりが家族の多様性を理解し、受け入れていく必要があろう。
講評  本年度は16本の卒論が執筆されました。その内訳を大別すると、大きく4つのグループに分かれました。(1)家族社会学に関する実証・文献研究が5本、(2)社会学的自己論に関する実証研究が4本、(3)防災および防犯に関する実証研究が4本、(4)その他が3本(NPO内の人間関係、芸術家の社会関係、知識社会学的理論研究)でした。どの研究も3回生の終わりには先行研究のレビューを済ませ、就職活動の合間を縫うようにして現場でデータを集め、関連研究をフォローし、論を理組み立てるといった作業を精力的におこなった力作がそろいました。
キーワード1 家族のあり方
キーワード2 家族の個人化
キーワード3 家族のライフスタイル化
キーワード4  
キーワード5  
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