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学科 産業関係学科
年度 2011
ゼミ名 冨田 安信
タイトル 格差是正を教育の現場から
内容  現代の日本では格差の拡大が問題視されている。格差拡大は低所得者層の拡大によるものであり、これには雇用・社会保険・公的扶助・教育の4つのセーフティネットの崩壊が関係していると言える。その中でも、雇用と教育のセーフティネットの崩壊に焦点を絞って論じていく。その内容として、高卒の非正規雇用の増加と教育格差による格差の負の連鎖を挙げる。高卒の非正規雇用を減らすために、義務教育でも行われているキャリア教育の充実を図ることができる。これに付け加えて、ドイツ発祥のデュアルシステムの普及や高校職業科の増設といった方向からもこの問題にアプローチしていく。また、教育格差とは、生まれ育った環境により、受けることのできる教育に格差が生まれることである。この格差を縮小するには、金銭的な支援が得られ、かつ、誰もが享受可能な制度を作っていかなくてはならない。その具体例として、政府が教育補助金を支援するということを挙げながら述べていく。
講評  先日のゼミ発表後の打ち上げに、卒業して4年目のゼミの先輩6人が参加してくれました。就職活動中の3回生に何か話してもらおうと1人に声を掛けると、彼が同期生にも声を掛けてくれ、6人が集まってくれました。
 ゼミ発表の数日前、3回生が彼にゼミ発表する内容に関してメールでいくつか質問しました。「中小企業のいいところはどこですか」といったような質問でした。先輩からの返事のメールには、人に話を聞くときに大切なことが書かれていました。「本やネットで調べられることは調べて、それでもわからないことを質問しなさい」、「「自分はこう思うのですが」という仮説をもって質問しなさい」、「相手の答えを受けて議論が深まる、展開していくような質問をしなさい」の3つです。仕事をしていくなかで彼が学んだ質問の仕方です。彼のアドバイスは、卒業論文を書くことを通じて学生が身につけることができるものとつながっています。ゼミ生の卒業論文を読みながら、そうしたことをどれだけ意識して学生を指導できたかを考えると、反省するところが多いというのが正直な気持ちです。
 卒業生としゃべっていて興味深かったのは、入社したとき、関西よりも関東の大学出身者のほうが、プレゼン能力が高いと感じた人が多かったことです。単なるプレゼンのうまさというより、意味のある仮説を立て、それを根拠づけるデータを収集し、相手を説得できるよう筋道立った話ができる能力が高いということでしょう。翌日、大企業の採用担当者に会ったとき、このことを話しました。彼も採用面接で関東と関西の大学生の違いを感じることがあり、関東の大学生のほうが揉まれている、切磋琢磨しているという印象を受けるそうです。ディベート大会に参加した、懸賞論文に応募したというような話をするのも関東の大学生のほうが多いそうで、このあたり、何か関係があるかなと二人で話しました。数年前、他大学の先生からゼミ対抗のディベートをしませんかと誘いを受けましたが、なんとなく断ってしまいました。私のゼミ生の卒業論文のレベルアップにつながるいい機会だったかもしれません。
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