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学科 産業関係学科
年度 2011
ゼミ名 上田 眞士
タイトル 未婚化の解決策について
内容 少子化問題は世界中の先進国で深刻な社会問題とされており、現代の日本社会も例外ではなく重要な社会問題とされている。少子化によって引き起こされる問題は主に2つ挙げる事ができる。1つめは社会保障制度の破綻である。日本の年金制度は、高齢者の年金給付を現役世代の保険料で賄う方式であるため、少子化によって労働力人口が減る事で、社会保障制度を維持する事が困難になるのである。2つめは少子化により労働力人口が減る事で労働市場が縮小し、日本の経済に悪影響を与える事である。この論文では、少子化という将来の日本に大きな悪影響を与える問題を解決するための考察をする。少子化の主な原因の1つである未婚化に焦点を当て、未婚化の解決策を考察することで少子化問題の解決策の展望を述べていきたい。第3章では未婚化の原因を「男女の出会い」、「結婚観の変化」、「男性の経済力の低下」、「出産と育児の両立の問題」の4つにわけて、未婚化の解決策を考察し、第4章でまとめとして結論を述べたい。
講評 卒論テーマについては「できうる限り,広く雇用社会のありように関わる事柄から選択するように」,年度のはじめにそうした土俵の設定を行いました。提出して貰った論文テーマを列挙してみると,「未婚化や少子化対策」「若年者の雇用問題」「非正規雇用と格差社会」「ベーシック・インカムの可能性」「拡大する日本の貧困問題」「銀行業務とホスピタリティ」「看護師の労働と転職」等々となっています。これらのテーマを一瞥しただけで,現代日本の雇用社会のありようや,その抱える問題が浮かび上がってきます。卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた結果である,基本的にそのように考えて良いでしょう。しかし,その上で卒論を読んでみて,いくつか頭に想い浮かんできた事柄もあります。どういう論文が良い論文なのか,私なりに大事だと思うポイントを二つほど記しておきたいと思います。

一つには,論文の内容にかかわって,「批判的」な研究であって欲しい,そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が,その雇用社会の一断面を取り上げ,現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから,そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を,論理的に整序して記述しようする姿勢が,論文にとってはかなり大事なことだと思います。本質的に批判的な学問であること,それが社会科学の生命線だという命題は,決して私一人の独善ではありません。それから,いま一つは,論文の基本的な作法についての事柄です。言いたいことは,自らが設定した「対象」と,それに対して分析や論評を加えていく「自分」,この二つの距離感を論述に際してはきちんと保って欲しい,それがしっかりとした記述かどうかを分かつ大事なポイントとなるだろうということです。例えば,企業や経営を対象とする場合,その企業経営の目線や言葉は,言うまでもなくビジネス=「実践」の世界の目線や言葉です。他方,論文での目線や言葉は,それとは異質な「学問」の目線や言葉でなくてはならないでしょう。たしかにその他にも論文には,幾つかの重要な叙述の形式がありますが,以上の基本が確保できていれば,後は技術的な問題ということになると思います。

とはいえ,「言うは易く行うは難し」というのが,先人の残した金言です。はじめて書く論文である卒論を,私なりに大切だと思う上述の二点を基準に,ばっさりと裁断したつもりは全くありません。論文を執筆する際の「心がけ」だと考えて欲しい,そのように思います。
キーワード1 少子化
キーワード2 未婚化
キーワード3 結婚観の変化
キーワード4 経済力
キーワード5 出産と育児の両立
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