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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 大学生の恋愛事情 ―サークル内・外における交際要因の比較―
内容 大学生活は人との出会いが豊富で、その選択肢は個人によってさまざまである。自分の所属するコミュニティ内で恋愛関係に発展するケースも少なくないだろう。そこで、私自身の所属するサークル内での恋愛事情を思い浮かべてみると、サークル内恋愛をしたことがあるという人が大半だという事実に気付いた。さまざまな出会いのきっかけがある中で、サークル内で恋愛をする人と外で作る人の違いにはどういった要因があるのだろうかということを分析するとともに、現代を生きる大学生の他者との交わりにおける相互意識について研究した。
次に、さまざまな学者の理論を基に、仮説としてサークル内恋愛に発展する要因を分析した。現代の恋愛に結びつく要因として、恋愛の理論研究におけるアイデンティティ保証の契機、感覚の類似、ジェンダーロールにおける性役割が挙げられ、この3点を軸に仮説を立てた.アイデンティティ保証の契機とは、社会の中で個人は多様化した選択肢に直面し、そこで個人が日々の決定を選択することによって、自己のアイデンティティは決定されていくことをいう。恋愛における個人の選択はアイデンティティを確立させる契機である。感覚の類似とは、現代の若者が自分と趣味や価値観、ノリなどが似ている点を異性の魅力として挙げていることからいえる。相手との摩擦がないほうが楽に付き合えるという現代の恋愛傾向である。ジェンダーロールとは男らしさ、女らしさといった伝統的性的役割を重視するか、という感覚の類似とは相反するものである。
サークル内恋愛をする人ほどサークル占有率が高く、感覚の類似を重視するという仮説を基にサークルに所属する5名の男女にインタビューを行った。仮説を基にした質問やサークルに関する質問も行った。これらの結果、サークル占有率が高く、そこでの帰属意識が高い人ほどサークル内恋愛をする傾向があり、サークル外で恋愛をする人ほどサークル占有率が低く、コミュニティや人に対する帰属意識も低いことがわかった。これは、大平(1995)が述べる現代若者の他者との関係と関連があるだろう。また、現代の若者に当てはまる傾向として、異性を選ぶポイントでは伝統的性役割と共に感覚の類似も重要視されているといえる。ジェンダーロールについては男性、女性ともに伝統的性役割の要素を持つ異性を理想の相手としながらも、感覚の類似を求めるという五人とも同じ結果だったので特にサークル内・外での交際要因には関係しないことがわかった。
講評  本年度は16本の卒論が執筆されました。その内訳を大別すると、大きく4つのグループに分かれました。(1)家族社会学に関する実証・文献研究が5本、(2)社会学的自己論に関する実証研究が4本、(3)防災および防犯に関する実証研究が4本、(4)その他が3本(NPO内の人間関係、芸術家の社会関係、知識社会学的理論研究)でした。どの研究も3回生の終わりには先行研究のレビューを済ませ、就職活動の合間を縫うようにして現場でデータを集め、関連研究をフォローし、論を理組み立てるといった作業を精力的におこなった力作がそろいました。
キーワード1 恋愛
キーワード2 コミュニティ
キーワード3 帰属意識
キーワード4 友人関係
キーワード5  
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