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学科 社会福祉学科
年度 2011
ゼミ名 山田 裕子
タイトル 単身高齢者の現状―問題点と社会包摂実現への課題―
内容 近年,日本社会において,一人暮らしの高齢者,いわゆる単身高齢者の増加が著しい.単身者であることは,個人の価値観に従って自立したライフスタイルを選択することができ,他人に干渉されることも少ないため,必ずしも悪いことではない.しかしながら,それが高齢者における場合はどうだろうか.
本論文では,論題をもとに文献や資料などを参考にし,単身高齢者の増加の背景や,現状にあるいくつかの問題を考える.たとえば,単身高齢者は同居家族がいないため,別居家族や友人・地域とのネットワークをもたなければ孤立状態に陥りやすい.特に,今後増加する未婚の単身者は,配偶者と子供がいないため,友人・地域とのつながりはより一層重要になる.そこで,単身高齢者を支えるNPO法人や,京都市の見守り体制の調査とともに,単身高齢者の立場から社会保障制度の見直しについて考察する.そのなかで,今後は高齢者を積極的に社会に包摂していく取り組みが求められるのではないかと考える.
講評 近年、大きく報道されている孤老死や孤独死を、同居していたお祖母さんが昨春亡くなったことから一層切実に感じこのテーマを選びました。早くから単身者のためのNPOを名古屋に訪れるなど、問題にどうアプローチするか、視野を広げながら悩み、文献を読み込むことで、この問題に解決策を見出そうとしました。文献と統計から現状の把握を精緻に行い、単身高齢者の問題や不安の遠因として高齢者の経済状況に焦点をあて、高齢者の経済、労働にも調べを進めました。高齢者の貧困率が52%に上っている事実や特に女性の生涯にわたる非正規労働の現実が、結果として高齢期の貧困や生活の不安定さにも繋がっていること、家族と企業への依存を前提としてきた日本の社会保障制度が、社会の変動により家族と企業に依存できない状況になっても、敏速に改変できずに制度疲労を起こしていることが単身高齢者を問題としていることを突き止めました。「単身高齢者に焦点を当てることで、日本の社会の背景についても捉える事が出来た」と「おわりに」で自ら書いている通りです。高齢者の社会的包摂実現と言う言葉に到達したことを喜びたいです。
キーワード1 単身高齢者
キーワード2 問題点
キーワード3 社会包摂支援
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