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学科 社会学科
年度 2008
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 童謡と唱歌からみる子ども観と大人
内容 本稿は子どもの歌の中でも童謡と唱歌に注目し、それらが作られた頃の子ども観や、子どもの歌を作った大人たち自身の姿をみてゆこうと試みた。歌の分析は歌詞を対象とし、童謡と唱歌をそれぞれ「シチュエーション」「子ども視点/大人視点」「明/暗」の3種類の方法に従って分類し、両者を比較した。
 唱歌は明治時代初期、近代学校制度の始まりとともに生み出され、この頃隆盛を誇った歌である。本論文では歌詞の分析を通して、この頃、教育する対象としての子どもが生まれたこと、この頃の望ましい子ども像が、強く明るいものであることを記述した。一方の童謡は唱歌を否定し、子どもの弱さや、大人の押し付けでない子どもの視点の重要性を訴え、より子どもに寄り添った歌を目指した。しかしそれは子どもの純粋性を神格化し、結果としては大人自身の弱さや理想を子どもに投影するという結果となっている。唱歌と童謡の中に見出される子どもは、どちらも大人の思いを受け止めるため、大人の思いを投影した存在となっていた。
講評  今年度の卒業論文は、自分のやりたいこと、興味がある社会現象を取り上げて、「社会学」にしていくことを目標にスタートしました。ラーメン、将来の夢、DV、スポーツ、甲子園というそれぞれの「こだわり」から出発し、何とか社会学に部分的にはたどり着けたようです。今年は、できの善し悪しは別にして、ゼミ生個々の個性がよく出ていて、楽しく読めた論文が多かったと思います。
キーワード1 子ども観
キーワード2 子どもの歌
キーワード3 教育
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