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学科 社会学科
年度 2012
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル アマチュアオーケストラのコンサートに集う人々の社会的背景 ――大阪のオーケストラ団体を事例に――
内容  本稿では、日本のクラシック音楽業界において盛んに活動され、重要な位置を占めるアマチュアのクラシックコンサートについて、どのような社会的背景を持つ人がコンサート参集者であるのかを明らかにする事を目的とし、調査している。その際プロの楽団を対象に調査を行った先行研究と比較し、違いを明らかにしている。調査方法は、大阪のアマチュアクラシック楽団のコンサートで、アンケート用紙の回答をお客さんにお願いするというものだった。
 プロの楽団のコンサートはエリート文化・正統文化としての機能を果たしており、高学歴・高階層・高年齢な参集者に偏っていたが、アマチュア楽団のコンサートではそのような偏りはなく階層もばらばらであった。
 今回の調査では、常連が圧倒的に多かった。しかし常連者は音楽を習っていた人たちは少なく、学校や家庭で音楽に触れるというちょっとしたきっかけでコンサートに通い始めたという経緯が多かった。アマチュア楽団のコンサートであれば、チケット代金が安く在住地域に近い場所にあるので敷居も低く、プロのコンサートより開かれたものであると言えるだろう。
講評 クラシック音楽のコンサートに注目した文化社会学の研究である。特にアマチュアオーケストラのコンサートを対象とし、プロのコンサートを主に調査した先行研究と比較し、アマチュアにおける経済的・文化的な階層性の薄さ、にもかかわらず幼少時の音楽経験は一定の影響を及ぼしていることなどを明らかにした点で興味深い研究となっている。論述に未整理の部分が多く、分析も曖昧な点がところどころある点はやや問題があるほか、1つのコンサートだけが調査対象となった点でも限界はあるが、面白いデータは出たと思う。
キーワード1 アマチュア
キーワード2 クラシックコンサート
キーワード3 階層
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