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学科 社会学科
年度 2012
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 若者たちのシェア生活 ――日本の住居とライフスタイルの歴史からの考察――
内容  本論文は、最近都市部で増えている事業介在型のシェアハウスに他人と一緒に住む若者のシェア生活をテーマにしている。シェアを前提とした住居が供給されるようになったことに着目し、住居を固定された物質としてではなく、諸力が拮抗する社会的な「過程」としてとらえる住宅の歴史社会学の視点と、若者の意識の変化をみながら、現在の若者のシェアハウスでのシェア生活が発生した歴史的文脈を考察する。また、事業介在型に住む若者たちが自分たちのライフスタイルをどのように考えているのか実際にインタビュー調査も行った。
 明治時代から住居の在り方と若者たちのライフスタイルの変化や、若者のシェア生活が一般的な欧米社会のそれを比較して考察したところ、日本の若者にも他人と暮らす文化はあったものの、戦後ワンルームマンションが爆発的に普及して一人暮らしが一般的になった。現代の若者のシェア生活は、空室率の増加、無縁化する社会の中で仲間と一緒にいる時間に充足を感じる若者が増えている社会背景の中で発生していると考察した。
講評 シェアハウスは近年社会学で注目をあびている対象だが、先行文献では、主として住宅の借り手側の事情に注目し、やや過剰に意味づけられている向きがある。それに対し本論文では貸し手側・借り手側双方に取材しながら、シェアハウス拡大の多様な背景を明らかにするとともに、それを住居の歴史的変化のなかに位置づけている点で評価できる。時間不足でまだ記述も考察も不足感があるが、論旨は一貫しており論文として成立している。
キーワード1 シェアハウス
キーワード2 若者
キーワード3 選択縁
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