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学科 | 社会学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 母親の就労形態と子どもへの影響 ―フルタイム就労のポジティブな側面― |
内容 | 今日、政策的社会的に家庭教育が重視されているが、それは子どもと過ごす時間を取りにくい、働く母親たちとその子どもにとって、不利な流れを作り出しているように思われる。しかし、就労する母親が子どもに与えているポジティブな影響があるのではないだろうか。本稿では、大学生へのインタビュー調査を行い、フルタイム就労、パートタイム就労、専業主婦の母親がそれぞれ子どもにどのように働きかけ、子どもがそれをどのように受け取っているかを質的な面から調査した。母親の就労は、経済的要因や時代による価値観の変化によって流動的であるし、母親が子どもの志向を形成する多くの要因の中の一つにすぎない。しかしフルタイム就労の母親は、子どもに対して高い教育アスピレーションは発揮しないにもかかわらず、その子どもの教育意欲・職業志向に対して正の影響を与えていることが結果としてわかった。 |
講評 | 従来、父親の職業が子供のキャリアにおよぼす影響について分析される一方で、母親についてはもっぱら家庭内教育での役割が注目されてきた。この論文は、母親の職業キャリアが子供の職業意識にあたえる影響に焦点をあてている。やっとこのような「当たり前な」卒論が出てくる時代になったかと感慨深い。 ちょうど職業選択期にある友人の学生たちに地道なインタビュー調査を重ねることは、まさにこの時期のこの場でしかできない方法であるし、女性の職業キャリアの多様性を目の当たりにすれば、今までの男性中心の職業構造のとらえ方がいかに単純なものに過ぎなかったかもわかる。そこにこの論文の学問的意義があると思う。ただし、これは新たな社会格差論にもなり得るし、さらにシングル(ステップ)ペアレントの問題にも留意する必要があるだろう。 |
キーワード1 | 就労形態 |
キーワード2 | 家庭教育 |
キーワード3 | 女性と仕事 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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