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学科 社会学科
年度 2012
ゼミ名 小林 久高
タイトル つかこうへいの熱狂 ――つか的悲劇の構造と動物的エネルギー
内容  つか芝居に一度でも触れたことがあるものならば、必ず感じるであろう、そのつか独特といわれる魅力は一体具体的には何なのか。つか芝居における、役者の圧倒的なパワーと、劇場を支配する嵐のような感動はなぜ生まれるのか。
 つか芝居独特の興奮と感動、色あせない独特の魅力の根源を、独特の演出方法や、脚本制作過程、脚本分析を基に探っていくと、つか芝居の最大の魅力は、登場人物たちが理性的欲求ではなく動物的(根源的)欲求にしたがって行動しているところにあることが分かった。
 しかし、単に動物的欲求に忠実なだけならば、つか芝居の感動は生まれ得ない。
動物的欲求の発露は、登場人物が弱者であることでさらに強められ、弱者であるがゆえの社会への迎合への反発のために登場人物たちは希望と絶望の間でやるせなさを強めていく。その姿に観客は強く感動する。
 脚本作成過程においては、いかに役者の動物的エネルギーを登場人物の動物的エネルギーとリンクさせるかが重要視され、上演にあたっては、いかに客席に舞台から発せられる動物的エネルギーをダイレクトに伝えるかが重要視されている。
講評  つかこうへいの芝居の魅力について実にうまくまとめられており、「動物的エネルギー」に着目する説得力のある論考である。人類学・社会学的な諸研究との接合が望まれる。
キーワード1 つかこうへい
キーワード2 動物的エネルギー
キーワード3 悲劇の構造
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