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学科 | 社会学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | Fabio Gygi |
タイトル | CD購買と音楽視聴の関係―大学生の音楽視聴調査から― |
内容 | CD販売枚数は、1990年代後半をピークとして、以降14年連続で減少し続け、全盛期の半分以下に落ち込んでいる。近年のこのような状況から、「CD不況」という言葉も生まれている。本稿では10~20代の若者にアンケートを実施し、このCD不況の原因になにがあるのか探る調査を試みた。筆者は当初CDの価格の高さがCD販売枚数減少に大きく関わっていると予測していたが、アンケートを分析した結果、それが主な原因とはいえなかった。さらに分析を進めると、原因の根本にあるのは音楽人口に対して音楽ファンが少ないことだと明らかになった。そこから、音楽ファン獲得のため何をすればいいのか考察し、いまCDを聞いてライブに行くのではなく、ライブを見てCDを買うという逆転現象が起きていることに注目した。つまり「体験」で刺激を受けた人々が「購買」に移りやすい「場」を提供すればいいと考えたのだ。実際そのような新しい「場」作りははじまっている。今後の音楽業界は、「場」を提供することで音楽ファンを増やしていくべきだと結論づけた。 |
講評 | 今年は初めてファビオゼミから卒業者13名が出る。卒業論文のテーマは世論調査の政治的な効果から臓器移植に関する比較研究まで幅広い分野に渡る。方法 論も、エスノメソドロジーからインタビュー調査とアンケート調査を含む質的研究法が多かったが、計量的なものもあった。しかし全体的に言えるのは、議論が不十分である。優秀な出来映えの二人を除けば、全員の議論にかなり無理がある。 問題意識がはっきりしていなかったり、ただ幾つかの事例を羅列して述べているだけのものや、学術論文と言えないエッセイ的になったもの、設問と結論が微妙に一致していないもの、質的研究法で得られたデータをムリヤリに仮説検証型に押し付けるなどの失敗がよく見られた。自分で得られたデータからどんな結論を導き出せるのかという点でもかなり論理上の無理が多 かった。ギリギリ最後までに卒論を後回しにした人は、調査の醍醐味を感じたのか「もっと早くやれば良かった」と言っていた。取りかかりが遅かった点に関しては、指導教官として厳しさに欠ける面があったと反省している。 |
キーワード1 | CD不況 |
キーワード2 | 音楽ファン |
キーワード3 | 「場」の提供 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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