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学科 | 社会学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | Fabio Gygi |
タイトル | 会議における意味付け作業と会話への影響―松蔭寮「寮務ミーティング」の会話分析― |
内容 | 同志社大学松蔭寮には、寮運営に直接携わる「寮務委員」が存在している。寮務委員は寮内での立場の特殊性のゆえに、他の寮生とは異なる認識の仕方や価値観を持っていると考えられる。そこで本稿では、寮務委員のミーティングへの会話分析を行い、「寮務」や「寮生」といったカテゴリーに着目して調査・分析した。こうしたカテゴリーは寮務委員自身の相互作用によって意味づけされ、メンバー間に共有されていく。また、カテゴリーの影響力は、会話を規定することもありえる。 調査によって明らかになったのは、寮務委員は「寮生」カテゴリーに意味付けしつつ、同時にミーティングの円滑化にも役立てていたということである。「こわい」寮生というカテゴリーは、寮務間にリスクの分担と結束をもたらす、戦略的なカテゴリーでもあった。一方、自分たち「寮務」のカテゴリーに積極的な意味付けは見られず、機能的役割観として意識されており、他者執行的カテゴリーにとどまっていることが分かった。 |
講評 | 今年は初めてファビオゼミから卒業者13名が出る。卒業論文のテーマは世論調査の政治的な効果から臓器移植に関する比較研究まで幅広い分野に渡る。方法 論も、エスノメソドロジーからインタビュー調査とアンケート調査を含む質的研究法が多かったが、計量的なものもあった。しかし全体的に言えるのは、議論が不十分である。優秀な出来映えの二人を除けば、全員の議論にかなり無理がある。 問題意識がはっきりしていなかったり、ただ幾つかの事例を羅列して述べているだけのものや、学術論文と言えないエッセイ的になったもの、設問と結論が微妙に一致していないもの、質的研究法で得られたデータをムリヤリに仮説検証型に押し付けるなどの失敗がよく見られた。自分で得られたデータからどんな結論を導き出せるのかという点でもかなり論理上の無理が多 かった。ギリギリ最後までに卒論を後回しにした人は、調査の醍醐味を感じたのか「もっと早くやれば良かった」と言っていた。取りかかりが遅かった点に関しては、指導教官として厳しさに欠ける面があったと反省している。 |
キーワード1 | エスノメソドロジー |
キーワード2 | 会話分析 |
キーワード3 | ミーティング |
キーワード4 | |
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